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日本統治時代の宿舎群、複合型文化スポットに 工事始まる/台湾・台南

  • 日付:2016-07-30
日本統治時代の宿舎群、複合型文化スポットに 工事始まる/台湾・台南

日本統治時代に建設され、80年以上の歴史を擁する「旧水交社宿舎群」(台南市)を複合型文化パークとして再活用するための工事が7月10日、始まりました。敷地内に劇場や文学サロン、眷村物語館、明清遺跡館など様々な施設を設置する計画で、完成は2018年8月を予定。この日行われた着工式に出席した頼清徳台南市長は、同パークが憩いの場所になり、多くの面において市にプラスの作用をもたらしてくれればと期待を寄せました。


台南市文化局によれば、日本統治時代、同宿舎には台南飛行場で防衛に当たった台南海軍航空隊の軍人とその家族が居住していました。戦後は空軍総部の前身である航空委員会が同地を接収。基地として利用されたほか、軍人やその家族の住居が続々と建設され、「眷村」と呼ばれる集落が形成されました。建物の構造や内装は精巧に作られており、当時の高級武官宿舎の特色が表れています。2004年には宿舎群のうち8棟が市指定文化財に登録されました。


頼市長によると、一部施設はすでに完成しており、伝統工芸に従事する場として12人の工芸家に提供されているそうです。


文化財や古民家、歴史的建築物などを重視する市の政策を強調した頼市長。歴史的建築物とクリエイティブ産業などを融合させ、人気を集めている「林百貨」を例に挙げ、古建築の活用によって観光客を呼び込みたい考えを示しました。


同市文化資産管理処によると、総事業費は2億5188万台湾元(約8億700万円)。そのうち、文化部から6875万元(2億2000万円)、国防部から3400万元(約1億900万円)の補助金が出ています。