国立台湾美術館が主催する回顧展「廖修平90大展(A 90-year Retrospective of LIAO SHIOU-PING)」の開幕式が3月22日、行われました。この展覧会では、廖修平さんの版画から油絵、彫刻にまでわたる多様な作品を紹介。戦後に活躍しているこのベテラン芸術家を観客の皆さんに深く理解してもらうものです。今年はちょうど、廖修平さんが90歳を迎え、重要なマイルストーンとしての意味もあります。会期は6月29日までです。
「台湾現代版画の父」と称されるだけでなく、その油絵や立体作品にも高い芸術的価値がある廖修平さんはかつて、パリの有名な「アトリエ17(Atelier 17)」で学びました。この版画工房では、ピカソやマティス、シャガールといった世界的巨匠も創作したことで知られます。廖修平さんは卓越した技術で、東洋的な要素を版画に取り入れました。また、廖修平さんは「中華民国国際版画ビエンナーレ」の創設に尽力した人の一人です。第22回を迎える同ビエンナーレは、世界で最も歴史のある版画ビエンナーレの一つとなっています。今回の回顧展は、廖修平さんが残した偉業を紹介するほか、台湾の版画芸術における傑出した役割を顕彰するものでもあります。