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日本時代から続く台湾漆工芸の技を魅せる特別展開催

  • 日付:2014-06-27
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嘉義市文化局は市民に台湾の漆器芸術の素晴らしさに触れてもらおうと、28日より「漆芸美学」台湾漆器芸術特別展を開催します。会場では100点を超える日本統治時代の貴重な漆器の数々が展示されます。



同市文化局の話によると、台湾漆器の歴史は台湾が清の支配を受けていた時代(17~19世紀)までさかのぼるそうです。当時、中国大陸の福建省の泉州やショウ(=さんずいに章)州、広東省から漢人移住者と共に漆器が台湾に入ってきました。さらに1895年台湾が日本統治下に置かれると、ウルシの植樹や漆工人材の養成が始まり、第二次大戦後の台湾漆器の海外輸出の基礎が築き上げられたということです。



伝統的な漆器作りでは天然のウルシ液を塗料として採取します。ウルシの樹はインドシナ半島、とりわけベトナム産が多く、しばしば「安南漆樹」などとよばれます。ウルシ液が太陽の光で乾燥してしまうのを防ぐため、通常、夜明けの2時か3時頃より採取が行われるそうです。1本の樹からは乳酸菌飲料の小瓶で年間約 2.5本分しか取れず、5年ほどで採取できなくなるため、俗に「緑色の黄金」、「液体の黄金」と呼ばれています。



今回は文化局が嘉義の骨董品収集家・葉茂雄さんに日本統治時代の漆器の提供を依頼して展示が実現しました。これまで公開されたことのない逸品ぞろいで、「台湾八景」の一つ、阿里山の景色を描き込んだものなど貴重な芸術が鑑賞可能です。この他にも黄麗淑、廖勝文、楊キン(=火へんに斤)彪など 漆器工芸家各氏による様々なテーマの作品やアイデアグッズが展示されます。



「漆芸美学」台湾漆芸特別展は6月28日~9月28日、嘉義市史蹟資料館で行われ、手作り漆塗りキーホルダー教室や漆器文化講座などが同時開催されます。