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漫画家|簡嘉誠

  • 日付:2024-11-20
漫画家|簡嘉誠

簡嘉誠は台湾の漫画家で、1978年台北市生まれ。輔仁大学英語英米文学科を卒業しました。2005年に漫画誌「挑戦者月刊」から「小紅帽愛上大野狼」で本格デビュー。日本の外務省が23年12月、同省主催の第17回日本国際漫画賞で、簡嘉誠の「青空下的追風少年(青空のもと、風追う少年)」が82カ国・地域から寄せられた587作品の中から最優秀賞に選ばれたと発表しました。台湾人として同賞を受賞したのは韋蘺若明に続き、2人目です。

 

「青空下的追風少年」は国家発展委員会档案管理局(公文書管理局)と出版社の蓋亜文化による協力プロジェクトで、同局の保管する台湾鉄路の史料研究成果を漫画にしようというものです。簡嘉誠はこれまでに、「時空鉄道之旅」「阿里山林鉄奇事」という鉄道に関する作品を2作手がけており、このうち「時空鉄道之旅」は、台湾漫画の最高栄誉とされる文化部(文化省)が主催する第4回ゴールデン・コミック・アワード(金漫奨)の一般漫画部門で優勝しています。こうした実績から、蓋亜文化が簡嘉誠に協力を求め、思いがけず鉄道3部作が完成しました。

 

これまでの鉄道をテーマとした2作に比べ、「青空下的追風少年」では鉄道に関する詳細が描かれることは少なく、2人の熱血少年が汽車を追う物語が軸となっています。また、台北大空襲、コレラ、台湾省運動会といった事柄が取り上げられ、特にワクチン接種や運動会といったシーンは、この数年の新型コロナウイルスや東京五輪で、皆が困難を克服し、同じ方向を向いて前進に努めた心情と通じるものがあります。

 

2018年以降、簡嘉誠は国家映画・視聴文化センター(国家電影及視聴文化中心)と提携し、1960年代を背景とした3作品を相次ぎ制作。映画フィルムの修復を題材とした「消逝的後街光影」、映画の手書きポスターを題材とした「画電影的人:手絵海報的美好時光」、台湾語映画の俳優を主人公とした「女伶回憶録」を世に送り出しました。