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台湾芸術史上、感動的な瞬間 米順天美術館の収蔵品が故郷・台湾の人々と対面

  • 日付:2019-08-28
台湾芸術史上、感動的な瞬間 米順天美術館の収蔵品が故郷・台湾の人々と対面

米カリフォルニアの順天美術館から文化部(文化省)に寄贈された台湾人芸術家の絵画の一部が8月28日、中部・台中市の国立台湾美術館でお披露目されました。記者会見で鄭麗君文化部長(文化相)は、台湾美術史に残る感動的な瞬間だと喜びを示しました。


寄贈されたのは台湾の製薬メーカー、順天堂製薬の創業者で、1975年に米国に移住した故・許鴻源氏(1917~1991年)のコレクションです。作品総数は計652点に上ります。日本統治時代の陳澄波、林之助、楊三郎、廖継春から、戦後中国大陸から台湾に渡った陳庭詩、秦松、沈耀初、現代の台湾画壇で活躍する薛保瑕まで、台湾の美術史を彩る画家の作品が網羅されています。許氏の死後に遺族がカリフォルニア州アーバインに順天美術館を設立し、コレクションを収蔵、展示していました。


昨年9月、館内の全所蔵作品を文化部に寄贈する基本合意書が調印され、全数が8月中旬までに台湾に“帰郷”しました。


鄭氏は、許氏の絵画収集は「すでに台湾美術史の一部」と称賛。「過去があるからこそ自分が何者なのか、どこに向かうべきかを知ることができる」と述べ、文化部が推進する台湾美術史の再構築に対する責任感をあらわにしました。


この日の会見には、許氏の息子で順天美術館の董事長を務める許照信氏夫妻や陳飛龍館長も出席しました。


国立台湾美術館では来年下半期から、寄贈作品を展示する展覧会の順次開催を予定しています。