日本統治時代の官展「台湾美術展覧会」(台展)と改称後の「台湾総督府美術展覧会」(府展)に出品された作品の中で、現存する83点を集めた特別展「経典再現-台府展現存作品特展」が11月28日から2021年4月11日まで、中部・台中市の台湾美術館で開催されます。他の美術館や基金会などから貸し出された作品も含まれます。同館は20世紀前半の台湾美術の風華を味わってほしいとしています。
台展は1927年に開始され、1938年に府展に改称。1943年まで計16回開かれました。台展を機に台湾美術は新時代を迎え、当時発行された図録は日本統治時代の台湾美術の姿を知る重要な記録となっています。文化部(文化省)は台湾美術史の再構築を目指すプロジェクトを進めており、今年3月には台展・府展の図録が復刻出版されました。今回の展示はこれに関連するもので、出版、研究の成果をより高める狙いがあります。
今回展示される作品は、陳澄波「濤声」や林玉山「蓮池」、薛万棟「遊戲」、李梅樹「憩ふ女」など。台湾美術館から23点、台北市立美術館から20点が集められ、残りは陳澄波文化基金会や郭雪湖基金会、創価学会、李梅樹記念館、収集家などから寄せられました。
台北市内で25日、同展の記者会見が開かれ、李永得文化部長(文化相)は、台展・府展の出品作品の多くが失われ、現在収蔵されているのは10分の1にも満たないと言及した上で、引き続き作品を探し、収蔵していく方針を示しました。
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林玉山「蓮池」
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陳澄波「濤声」