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彫刻家・黄土水の作品、佐渡市から台湾に里帰り 修復・レプリカ制作へ

  • 日付:2021-01-22
彫刻家・黄土水の作品、佐渡市から台湾に里帰り 修復・レプリカ制作へ

「台湾彫刻の父」と呼ばれる日本統治時代の彫刻家、黄土水が手掛けた石膏像が新潟県佐渡市から台湾に一時帰郷し、国立台湾美術館(台中市)で1月22日にお披露目されました。同美術館に3年間貸し出され、修復とレプリカの制作が行われます。

台湾に戻ったのは、日本統治時代に農林大臣を務めた山本悌二郎の胸像です。1927~28年ごろに制作されました。衆議院議員や台湾製糖の支配人、社長などを歴任した山本は佐渡真野地区出身で、胸像は真野行政サービスセンターに展示されていました。

文化部(文化省)は台湾芸術史の再構築に力を入れており、海外に散らばった台湾芸術家の作品の里帰りを積極的に推進しています。同部は昨年5月、台湾美術館、佐渡市との3者間で協議書に調印し、胸像が台湾側に貸し出されることが決まりました。貸出期間を終えた後は佐渡市に返却されます。

李永得文化部長(文化相)は、台湾と日本の文化交流において新たな1ページが刻まれたと喜びを示しました。

台湾の1920年代の新文化運動に大きな影響を与えた黄。生計を立てるため、日本の有力者の依頼を受けて胸像や銅像を制作していました。黄が手掛けた肖像彫刻は、今回帰郷した胸像を含め計4点が日本に残されています。李部長によれば、台湾美術館は今後も黄の作品の収集を続けていくとしています。