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日本時代の忠霊塔、台南市の歴史建築に登録

  • 日付:2022-01-03
日本時代の忠霊塔、台南市の歴史建築に登録

台南市文化資産管理処は12月25日、日本統治時代の戦没者を慰霊するために建設された「忠霊塔」を市の歴史建築に登録したと発表しました。市の歴史の移り変わりが示されていることなどを評価したとしています。

忠霊塔は南区の台南市立体育公園のそばに位置し、70年以上の歴史を有します。同処によれば、日本統治時代、台南州技師の住谷茂夫によって設計され、「忠霊塔」の文字は台湾軍司令官の安藤利吉が揮毫(きごう)しました。

第2次世界大戦後の1948年、「第3回全省運動会」が開催される際に、塔に刻まれた文字が「積健為雄」(日頃の鍛錬が強い体と心を作る)に変更され、以降は「第3回全省運動会紀念塔」とされました。2019年に市民団体から文化資産として登録するよう提案が出されていました。

市の歴史建築への登録は、文化資産などを審議する市の審議会で決まりました。当時の建築物の特色が反映されていることや、日本統治時代から戦後までの政治的変遷が示されていることが登録の理由として挙げられました。登録名は歴史的移り変わりを考慮し、「忠霊塔(第3回全省運動会紀念塔)」としました。

このほか、日本統治時代のアールデコ様式を踏襲した「第3回全省運動会牌坊」が歴史建築に、邸宅「麻豆郭挙人宅」が古跡にそれぞれ登録されました。

(台南市南区の忠霊塔=同市文化資産管理処提供)