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第53回金馬奨授賞式(1)

  • 日付:2016-12-01
第53回金馬奨授賞式(1)

中華圏の映画人にとって最高栄誉とされる映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)の第53回授賞式が11月26日、台北市の国父紀念館で行われました。


◇中国大陸が4大部門総なめ 台湾勢は振るわず

今年は中国大陸映画が圧倒的な強さを見せ、長編フィクション作品賞、監督賞、主演男優・女優賞の主要4部門を完全制覇しました。残念ながら台湾映画の受賞はコンペティション23部門(うち1部門は該当者なし)中、5部門(ドキュメンタリー作品、アニメーション短編、助演男優、美術デザイン、オリジナル映画音楽)に留まりました。チョン・モンホン(鍾孟宏)監督の「ゴッドスピード」(一路順風)は最多8部門にノミネートされていましたが、賞獲得は美術デザイン賞の1部門のみに終わりました。


昨年はホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督の「黒衣の刺客」(刺客聶隠娘)が作品賞を含む5部門を受賞、チャン・ツォーチ監督の「酔・生夢死」も助演女優、新人賞など4冠に輝いていただけに、今回は台湾映画界にとっては寂しい結果となりました。


◇日本統治時代の詩社がテーマの「日曜日式散歩者」がドキュメンタリー作品賞

台湾映画が苦戦する中、日本統治時代の文学団体「風車詩社」をテーマにした「日曜日式散歩者」はドキュメンタリー作品賞を受賞しました。同作は今年の台湾国際ドキュメンタリー映画祭の台湾コンペティション部門でグランプリを獲得、台北映画祭でも最優秀脚本賞と最優秀音声デザイン賞の2冠に輝いていました。


ホアン・ヤーリー(黄亜レキ)監督は授賞式には欠席し、エグゼクティブプロデューサーの閻鴻亞氏がステージ上でトロフィーを受け取りました。閻氏は名作「恋恋風塵」がテレビ放送される際、音声が全て中国語に変えられていた歴史に触れた上で、今回ほぼ全てのナレーションが日本語で行われている同作が受賞できたことに対し、「創作活動において台湾が独立していて、自由で開放的な土地であることの証明」だと喜びを語りました。(レキ=歴の木を禾に)