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日本時代の建物を活用した詩の拠点 「斉東詩舎」がオープン

  • 日付:2014-07-31
日本時代の建物を活用した詩の拠点 「斉東詩舎」がオープン

文化部が台湾の詩作活性化を目的に文化拠点として整備を進めていた「斉東詩舎」が7月31日、台北市内にオープンしました。龍応台文化部長は開館式で、「詩のルネッサンス」プロジェクトのスタートを宣言し、同地が中国語文学の世界の"真珠”となればと期待を寄せました。


式典には詩人の鄭愁予、向陽、管管各氏などが出席しました。オープニングでは歌手の呉志寧氏が父親の呉晟氏の詩を元に作った台湾語の歌「全心全意我愛[イ尓]」(全身全霊で君を愛す)を、客家の詩人・羅思容氏が客家語の歌「七層塔」を披露しました。


龍部長は、「斉東詩舎」は洋菓子のミルフィーユのように、幾重にも重なった層ごとにそれぞれの物語があると話した上で、日本統治時代は公務員寮、第二次世界大戦後は王叔銘・空軍総司令官の官舎として用いられたことに触れ、これからは"詩の基地”に生まれ変わることになると新たな再出発をアピールしました。


席上、作家の王文華氏に絶賛された詩人の欧陽明氏は、自分は詩の愛好者・受益者なだけで、少しばかり還元しているに過ぎないと謙遜しました。また、鄭愁予氏は今年5月に亡くなった周夢蝶を記念する一行詩を披露しました。「斉東詩舎」では周夢蝶の「空杯」、王昶雄の「阮若打開心内的門窗」(もしも心の扉を開くなら)などの詩の直筆原稿が展示されます。


管管氏は詩と詩人が"家”を見つけてもらって今後は"さすらわ”なくてもすむと感謝を述べ、台湾で新しい詩が育まれていくよう希望すると語りました。作詞家の方文山氏は、詩と詞は本来兄弟のようなもので、詩は自分の創作に影響を与える存在だとし、歌詞がメロディーなしでも魅力あるものとなるよう努めたいと話しました。


今後は「斉東サロン」「現代詩研修」「詩の旅」「台湾国際詩歌祭」「詩のつぼみ賞コンテスト」「台湾詩人さすらいの創作活動」など各種イベントが開催されます。


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