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鉱物標本特別展に日本人発見の“北投石”も出品 台湾博物館

  • 日付:2014-05-28
鉱物標本特別展に日本人発見の“北投石”も出品 台湾博物館

国立台湾博物館(台北市)で今月から開催される同博物館収蔵の鉱物標本の特別展示に、かつて日本人研究者が採集した「北投石」(写真)をはじめとする貴重な鉱物20点が出展されます。

「北投石」は日本統治時代の台湾で岡本要八郎が1905(明治38)年、北投の温泉、瀧乃湯で入浴した帰りに渓流の河床で偶然発見した新種の鉱物。放射性元素のラジウムを含むもので、1912年にこの温泉地にちなんで命名されました。

岡本要八郎(1876-1960年)は愛知県尾西市出身の地質学者。子供の頃から鉱物に興味を持ち、初めて台湾の鉱物を採集したことで知られています。 1899年に渡台、1909~24年に台湾総督府鉱物課に技手として勤務しながら、国立台湾博物館の前身、総督府博物館の草創期に鉱物採集任務を兼任し、鉱物陳列室を設置。この頃採集した鉱物が現在の収蔵品の基礎となっています。

岡本は1908年、川上瀧彌と共に台湾博物学会を創立し、日本帰国後は1939(昭和14)年より九州帝国大学に奉職。北投石、石黄、石英、雄 黄、バラ輝石、トパーズ、ジルコンなど様々な鉱物を研究し、台湾の鉱物に関する90編余りの論文・文章を「地質学雑誌」「台湾鉱業会報」「台湾博物学会会報」などの出版物に発表、鉱物学研究に多大な貢献をしまし


岡本が収集した数千点もの鉱物は日本では後年、つくば市にある地質調査所の地質標本館に移されています。また、2005年10月には台湾で「發現北投石100週年」が開催され、息子の岡本正豊氏が出席。教育部は岡本要八郎に「文化教育奨」を追贈しました。