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台湾行啓のために建てられた貴賓館を修繕 文化部が7億円全額補助

  • 日付:2018-04-26
台湾行啓のために建てられた貴賓館を修繕 文化部が7億円全額補助

台北市陽明山にある市定古跡「草山貴賓館」(草山御賓館)が、文化部(文化省)から補助金約2億台湾元(約73700万円)の交付を受けて修繕されることになりました。同館は皇太子裕仁親王(後に昭和天皇)が1923年に行った台湾行啓に合わせて建設され、当時皇太子が立ち寄った場所です。長らく放置されており、荒廃が進んでいました。修復にかかる期間は2年前後が見込まれています。


台北市政府文化局の田イ副局長が417日、明らかにしました。同館は台北市の古跡ですが、建物や土地はいずれも市の所有ではなく、建物は台湾省政府、土地は財政部国有財産署や林務局などの管理の下に置かれています。市文化局は昨年10月、台湾省政府に対して修繕計画の提出や毎月1度の見回り、文物の整理などを求めていました。(イ=王へんに韋)


田副局長によれば、すでに庭園や屋根用の防水布、照明器具などから修繕作業が進められており、修繕の状況は台湾省政府から市文化局に毎月報告される予定だといいます。建物の内部に残されていた文物のうち、手書きの文書や手紙、価値がある私物などは孫科の遺族に引き取られることになりました。修復完了後は、管理を担当する機関が見つからなければ、同市文化局が管理や運営を引き受けるとしています。 

同館は木造建築で、洋風と和風両方を取り入れた建築様式が採用されています。戦後には蒋介石元総統が一時的に住んだほか、孫文の子、孫科の公邸として使われました。1998年に市の古跡に登録されています。