メインのコンテンツブロックにジャンプします

米美術館所蔵の台湾絵画、台中で展示へ 日本時代から現代までの約600点

  • 日付:2018-11-15
米美術館所蔵の台湾絵画、台中で展示へ 日本時代から現代までの約600点

米カリフォルニアの順天美術館が所蔵する台湾芸術家の絵画約600点が文化部(文化省)に寄贈されることが決まり、第一弾として里帰りした廖継春(19021976年)の油絵「淡水遠眺」が111日、中部・台中市の旧台中州庁舎でお披露目されました。


絵画は、台湾の製薬メーカー、順天堂製薬の創業者である許鴻源氏が生前に集めたものです。美術館は1996年、許氏を記念してカリフォルニア州アーバインに建てられ、許氏の収集品を収蔵していました。許氏は1975年に米国に移住し、1991年に逝去しました。


文化部と同美術館は今年9月下旬、同美術館の全所蔵作品を文化部に寄贈する基本合意書に調印しました。作品の年代は日本統治時代から現代までに及び、日本統治時代に活躍した陳澄波、廖継春、李梅樹や戦後の呂基正、張義雄、廖修平など台湾の重要な芸術家の作品が含まれます。台湾美術館(台中市)が運搬や保管、修復、研究、展示企画を担当します。寄贈された作品は旧台中州庁舎の修復工事が完了した後、同所で展示されます。


111日に開かれた記者会見に出席した鄭麗君文化部長(文化相)は、許氏が台北市立美術館(1983年開館)や台湾美術館(1988年開館)よりも早い1979年から収集を始めていたことに触れ、許氏の収集の行動こそ台湾美術史運動であり、「たぐいまれな運動」とたたえました。許氏が後代の台湾人のために、その時代における画家の位置付けを基に作品を収集し、台湾の社会と当時の生活の姿を伝えようとしていたことにも言及し、許氏の願いをかなえるために作品の帰郷に尽力したと語りました。


順天美術館の陳飛龍館長は、許氏の愛と後世の人々による丁寧な保存があってこそ、これらの絵画は台湾に戻ってこられたと述べ、文化部や台中の人々に感謝を示しました。