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台湾から沖縄・与那国島へ 3万年前の航海再現 丸木舟で「最後の挑戦」

  • 日付:2019-05-27
台湾から沖縄・与那国島へ 3万年前の航海再現 丸木舟で「最後の挑戦」

人類が約3万年前にどのようにして海を渡ったのか、その謎を解くため当時の航海を再現する台日合作プロジェクトで、復元した石器で制作した丸木舟で台湾東部・台東から黒潮に乗って沖縄の与那国島にたどり着けるか検証する実験が行われます。2016年からテスト航海を行ってきた同プロジェクトは、今年が「最後の挑戦」となります。


プロジェクトは日本の国立科学博物館(東京都)が立ち上げ、2017年から台湾の国立台湾史前文化博物館(台東県)が加わりました。16年に草束舟で与那国島から西表島を目指すテスト航海を行った後、17年に台湾原住民(先住民)アミ族の知恵を活かした竹の舟を使って台東の海で実験を実施。黒潮を越えられる速度には達しませんでした。18年には軽量化を図った改良版で挑んだものの、荒波で竹が傷つき、海水が染み込むトラブルに見舞われました。 同年、丸木舟も制作し、千葉県館山で海上実験を行いました。


海上実験の結果、3万年前の航海に使われたのは丸木舟だった可能性が高いとチームは判断。今年行う本番の実験航海に丸木舟を採用することを決めました。舟の材料には石川県能登産のスギを用い、日本で制作しました。全長7.6メートル、高さ0.6メートル、重さは350キロで5人乗りです。海上実験では、安定性では竹の舟より劣ったものの、1.5倍以上のスピードが出たといいます。


一行は5月28日から10日間、海上での訓練を行い、6月25日から7月13日までを「本番の期間」として出航のチャンスを待ちます。


当時の航海を忠実に再現するため、実験航海ではコンパスやスマートフォンなどは使わず、風や太陽、星で針路を探ります。台東県北部の烏石鼻漁港から目的地の与那国島まで、直線距離は約205キロ。理想的なコースで航海が進めば、1.6~2.8日間で到着する計算だとしています。


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