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地図で台湾史をひもとく特別展、台南の台史博で開幕 希少な一枚を初公開

  • 日付:2017-12-05
地図で台湾史をひもとく特別展、台南の台史博で開幕 希少な一枚を初公開

南部・台南市の国立台湾歴史博物館で12月5日、16世紀以降の約500年間に作成された地図約70点から台湾の歴史をひもとく特別展「地図很有事:地図的台湾史」が開幕しました。時代やテーマ別に地図を展示し、台湾社会の変遷を来場者に紹介します。また、世界で6点しか確認されていないという貴重な一枚が初めて公開展示されています。開催は来年8月12日までです。



初公開される地図は、18世紀末に漢民族と原住民族(先住民)が住み分けた境界線が分かる古地図「18世紀末御製台湾原漢界址図」です。同博物館が所蔵する1点は、渡仏して活躍した台湾の漢学者で、画家としての顔も持つ故・侯錦郎氏の遺族から今年4月に寄託されました。このほか、同図は英ロンドンの大英博物館や中国大陸・北京の故宮博物院などでも所蔵されています。



同図は、領地の状況を清朝の皇帝に報告するために作成されたもので、納税や労役の義務を負う漢民族らが居住する「人界」と、統治対象外とされる「番界」との境界線が引かれています。全長404.5センチ、幅49.2センチ。絵図・文字とも精巧で、当時の地名のほか、先住民の侵入を阻むために建設された見張り所や溝などが克明に記録されており、調査から完成まで3~5年を要したとされています。



特別展では、日本統治時代の「台湾鉄道地図」や「米英撃滅大東亜建設大観」と題された第2次世界大戦中の漫画地図なども展示されます。