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文学者の斉邦媛氏、抗日戦争がなければ「台湾は今も日本の植民地」

  • 日付:2015-05-23
文学者の斉邦媛氏、抗日戦争がなければ「台湾は今も日本の植民地」

台北市内の世新大学で5月22日、抗日戦争(日中戦争)勝利70年記念イベントが行われました。出席した作家で文学者の斉邦媛氏(91)が戦時中の中国大陸で過ごした自身の少女時代を振り返るとともに、あの戦争がなければ「台湾は今も日本の植民地だ」などと述べ、戦勝の歴史的な意義を強調しました。



中華民国陸軍中将の故・李弥(1902~1973)など、抗日戦争で活躍するも国民党が中国共産党との内戦に敗れたことで、台湾で失意のうちに亡くなった人々についても言及。「ついてない人の物語こそ面白い」として、歴史家や文学者はもっと取り上げるべきだと語りました。



斉氏は1924(大正13)年、中国大陸・遼寧省生まれ。青春期は抗日戦争、国共内戦のため、大陸各地を転々とし、1947年に台湾に渡っています。1969年からは中興大学(台中市)などで教鞭を執りながら、台湾文学を海外に紹介する活動を続けてきました。戦争の日々などをつづった半生記「巨流河」 (2009年)は、10万部以上を売り上げるベストセラーになっています。