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台日文化交流「アートの扉が開く」 文化部・日本森美術館共同企画 李明維(リー・ミンウェイ)芸術展

  • 日付:2014-03-11
台日文化交流「アートの扉が開く」 文化部・日本森美術館共同企画 李明維(リー・ミンウェイ)芸術展

芸術の扉が開き、台日文化交流に新しいルートが切り開かれました。龍応台文化部部長は11日午後、日本の森美術館において「リー・ミンウェイとその関係展」記者会見に出席し、台湾のアーティスト・李明維(リー・ミンウェイ)氏が今年9月、日本の芸術交流機構である森美術館において大型回顧展を開催するという文化交流の盛事を発表しました。この展覧会は文化部と森美術館による共同開催で、森美術館にとって台湾のアーティストを取り上げる展覧会は初めてであり、大変大きな意義を持つものです。龍応台部長は李明維氏の作品は天真爛漫さの中に人と人とのつながりを模索しようと試みるもので、芸術を通してすれ違う見知らぬ人との間に関係を生み出し、「このような喪失と探究の感情がたどってきた道筋は、震災できわめて大きな痛手を受けた日本社会にとって、より一層深く感じるものがあるだろう」と述べました。



森美術館では2003年の開館以来、初めて台湾のアーティストの個展を行います。今年9月20日より来年1月4日まで、文化部は同美術館と「リー・ミンウェイとその関係展」を共同開催し、東京・六本木の森美術館において李明維氏20年間のアート活動の中で生まれた重要作品を展示します。展示は「空」と「間」の概念、日常生活の進行形、歴史・文化・社会と個人的記憶のつながりについて考えるの3つのテーマに分かれます。芸術家は訪れる人を招いて晩餐を共にし、はては警備の厳しい森美術館の公共スペースで鑑賞者と夜を過ごし、現代の人と人との間の"関係の美学”について探求・模索します。



龍部長は挨拶の中で、森美術館の南條史生館長をはじめ、展示会企画者およびスタッフが李明維展覧会開催のために心を込めてとても念入りに準備をし、「台湾の重要な芸術家を森美術館にそっくり運び込んでしまった」として特に感謝の言葉を述べました。また、李明維氏の作品には子どものような好奇心と温かい心があり、「すき間なく網目を張りめぐらせた大空の中に、人と人との間にある手がかりと脈絡を探し求め」、見る人に自分の心の記憶を呼び起こさせるものだと指摘しました。



折しも記者会見の当日は東日本大震災が3年目を迎えた日でしたが、龍応台部長は、李明維氏の作品には台湾人の感情がこもっており、この「ある種の喪失と探究の感情の歴程」は、震災によるきわめて大きな痛手を乗り越えようとしている日本の人々にとって、より一層深く感じるものがあるのではないかと述べました。



李明維氏は初めて14の作品が一堂に集まるのは大変意義深く、2007年に台北当代芸術館で行われた回顧展で7作品のみだったのとくらべてその2倍の量となった今回、「アート作品同士がどのように相互作用を起こし、どのような新しい美学をもたらすのか私自身大変興味深く思います」と述べました。李明維氏は、森美術館での展示を企画してくれたキュレーターの方々とのコミュニケーションがこんなにもうまくいって自分は大変幸せであり、展覧会の開催で思いがけない"関係の美学”を生み出せるのではないかと皆とても楽しみにしていると述べました。



展示の企画にあたった片岡真実氏は、関係の美学には人の参加が必要で、今回は作品の設置から参観者を招くまでのすべてが非常に複雑なものだと述べました。李明維の作品は世界各地から訪れた見学者に関係の美学の本質を考えさせるのみならず、芸術における参加の理論の現実世界での無限の可能性にたえず挑戦するものです。片岡さんは現代のインターネット時代では、どのようにして心からの友を見つけ、どのように人と人との関係を表現するのかはなかなか難しいことであり、今回の展示で人と人との精密な関係を表現し、「人々は李明維の芸術展示の中に生命の本当の意義を見つけることができるだろう」と語りました。



文化部では台日本文化交流は今年、故宮博物院が行う「神品至宝展」のほか、文化部東京文化センターで于右任書道芸術回顧展、歌劇「梧桐雨」の演出交流が行われる予定で、森美術館の李明維芸術展と結びつけ、古典から現代まで台湾芸術文化の豊かさと多様さを示すものだとしています。そして、龍応台部長は森美術館の「アートの扉が開く」によってさらに多くの日本の美術館と台湾の芸術界の間の交流が行われるよう望むとしています。



http://www.mori.art.museum/contents/lee_mingwei/