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「大仏+」、NYの映画祭で上映 台湾映画として20年ぶり

  • 日付:2018-04-10
「大仏+」、NYの映画祭で上映 台湾映画として20年ぶり

映画監督の登竜門とされる米ニューヨークの映画祭「ニュー・ディレクターズ/ニュー・フィルムズ」(328日~48日)で、ホアン・シンヤオ(黄信堯)監督の「大仏+」(大仏普拉斯)が上映されました。同映画祭に台湾映画が出品されるのは1998年のリン・チェンシェン(林正盛)監督「青春のつぶやき」(美麗在唱歌)以来20年ぶりです。ホアン監督は4日、ニューヨークで作品について語りました。 

同作は社会の隅で生きる中年男性2人がオーナーのドライブレコーダーを盗み見たのを発端に、ある事件に巻き込まれていくという物語です。中部の田舎町、雲林県口湖郷で撮影が行われました。 


撮影地の口湖郷について、台湾の役所が国際社会に紹介したい場所ではないと言及した上で、同地のように荒れ果てた土地こそ台湾の生命力が感じられる場所だと持論を展開したホアン監督。口湖郷の人々が荒れた土地でも頑張って暮らしていることに触れ、「これこそが台湾の姿」だと語りました。 

ホアン監督によれば、同作の撮影終了後に、ある人から台湾の「ポジティブな力」について撮るよう勧められたそうです。しかしホアン監督は、ネガティブをポジティブなエネルギーに転換することこそが正しい道のりだという考えを示し、「もし自身の文化に自信がなく、文化の主体性もなければ、どうやって世界に紹介するのか」と訴えかけました。 

一方でホアン監督は、同作を通じて台湾を世界に紹介しようと思ったことはないと話します。同作は台湾中南部の片隅の現況を反映しただけで、台湾全体を代表するものではないと強調しました。

同映画祭はニューヨーク近代美術館とリンカーン・センター・フィルム・ソサエティが共催するもので、新鋭監督の作品を紹介するのを目的に開かれています。47回目となる今年は長編25本と短編10本が選ばれました。