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桃園の日本式宿舎群、文化施設に かつて暮らした客家人作家がテーマ

  • 日付:2019-04-20
桃園の日本式宿舎群、文化施設に かつて暮らした客家人作家がテーマ

日本統治時代に建てられた北部・桃園市龍潭の宿舎群が、客家文学を代表する客家人作家、鍾肇政さんをテーマにした文化施設「鍾肇政文学生活園区」に生まれ変わり、4月20日に開園しました。園内では鍾さんの作品や関連の文物を紹介し、客家文化を発信しています。


文化部(文化省)によると、同宿舎群で現存する建物は1931年から1941年にかけて建設され、近隣にある龍元公学校(現龍潭小)の教員宿舎として使われていました。鍾さんは同小の教師を務めていた1956年から11年間、同所に暮らしました。桃園市は2012年、市の歴史建築に登録し、2017年から修復工事を進めていました。


鍾さんは台湾で大河小説のジャンルを打ち立てた先駆者で、客家文化の伝承・発揚に積極的に取り組んだことでも知られます。宿舎で暮らした期間に、「永遠のルピナス」など多くの作品を書き上げました。同書のほか、「怒涛」や「ゲーテ激情の書」などは日本語にも翻訳されています。修復された住居では、鍾さんが生活した当時の様子が忠実に再現されました。


客家は台湾のエスニックグループの一つで、北部・桃園から中部・台中までの範囲に多く居住しています。政府はこの一帯を「客家ロマンチック街道」(浪漫台三線)と名付け、環境整備や産業育成などを通じた客家の文化復興プロジェクトを2016年から推進しています。鍾肇政文学生活園区は、プロジェクトの一環として整備されました。


開園式に出席した蔡英文総統は、客家文化の振興と産業の発展を目指す政府の姿勢をアピールし、ロマンチック街道にとって重要な事業である同園区の供用開始を喜びました。