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国立台湾博物館

  • 日付:2018-03-09
国立台湾博物館

1908年に設立された国立台湾博物館は、台湾で最も歴史のある博物館で、博物学に関する収蔵を中心としていることが特徴です。建設されたのは日本統治時代で、前身は「台湾総督府博物館」、初代館長は日本の著名な植物学者である川上瀧弥でした。現在は、中華民国文化部(文化省)に属しており、中華民国国定古跡に指定されています。


この博物館が設立された当初の目的は、殖産興業の展示のためで、総督府の商工部門と殖産部門が担当していました。この博物館の前身である「台湾総督府博物館」の設立は、台湾本島の交通の大動脈である南北を縦断する鉄道の全線開通を祝うためで、一連の盛大な開通記念イベントの一つでした。また、展示を通して、台湾の建設を大いに宣伝し、紹介すること、また、台湾の各産業の縮図を展示することで、来賓に台湾の概況をよく分かってもらう狙いがありました。


台湾博物館の現在の建物の主な部分は、当時の日本政府が、台湾総督だった児玉源太郎と民政長官だった後藤新平を記念するために設計建造した、殖民成果を代表する記念館です。この博物館の建物は、多数の西洋古典建築のエッセンスが融合されたもので、全体の平面配置は南北に面して「一」の字形と、西日が当たる面積を抑えた設計になっており、都市計画と気候に合わせた建築士の配慮がうかがえます。博物館の主な入り口とロビーは中央にあり、両翼の展示室は、中央ロビーを基準にして左右対称、シンプルな形になっており、現在の台湾では数少なく、代表的な日本統治時代の西洋古典様式を模した建築です。1915年に完成した後、総督府に提供され、博物館として使用されました。


博物館の外観は、グリーク・リバイバル様式が採用されており、入り口正面はギリシャ神殿のような、荘厳で神聖な権威ある印象です。中央ロビーの建築構造は鉄筋コンクリートで、32本の巨大な柱が取り囲むように並んだ混合様式。外壁はドーリア式で、ローマ式ドームが合わせられており、優美なレリーフの装飾があしらわれています。博物館の建物全体としては、典型的なルネサンス様式となっています。


この博物館の主な収蔵品は、台湾の人文史料と天産物で、地質や鉱物、動物、植物、原住民(先住民)、歴史に関するものが中心です。また、農業、水産、工芸、貿易、林業などに関する資料も収蔵しているほか、約4万点の標本を保存しています。このうち、「国姓爺鄭成功御真」、「康熙台湾輿図」、「台湾民主国国旗藍地黄虎旗」は、この博物館でも非常に貴重な宝とされ、文化部から国宝に指定されています。


文化部の前身である文化建設委員会の計画の下、国立台湾博物館は拡充計画が進められており、台湾博物館土地銀行展示館が2010年2月21日に、台湾博物館南門パークは2013年11月30日に開館しました。また、台湾博物館鉄道部パークは2017年7月から見学予約を受け付けています。