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台湾初の五輪選手・張星賢の競技人生を振り返る 台湾文化センターで企画展

  • 日付:2021-04-16
台湾初の五輪選手・張星賢の競技人生を振り返る 台湾文化センターで企画展

台湾人で初めて五輪に出場した張星賢の半生を振り返る企画展「世界を駆け抜けた台湾人アスリート:張星賢」が415日、東京・虎ノ門の台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで始まりました。張は台湾が日本統治下にあった1932年(ロサンゼルス大会)と1936年(ベルリン大会)の2度にわたり、日本代表選手として五輪に出場しました。企画展ではパネルや複製写真、手紙、動画などを通じて、張の功績とその背景を紹介します。6月中旬まで開かれる予定です。

 

企画展は国立歴史民俗博物館(千葉県)で3月まで約2カ月間にわたって開かれた特集展示「東アジアを駆け抜けた身体スポーツの近代」の一部をベースにしています。同館と台湾文化センター、国立台湾歴史博物館が共催しました。

 

謝長廷駐日代表(大使に相当)は開幕式のあいさつで、台湾と日本はある一時代において歴史を共有していると述べ、共有している歴史は日本人、台湾人ともに知る必要があると語りました。同センターの王淑芳センター長は、日本の人々に台湾のスポーツや歴史的発展について理解を深めてもらい、東京五輪に参加する台日の選手にエールを送ってもらえればと話しました。

 

国立歴史民俗博物館の樋浦郷子・研究部准教授は、張が生きていた時代の歴史はより多くの人が知るべきだと言及。張について知る日本人は現在はほとんどいないと指摘し、その原因は張がメダルを獲得していないことや、日本人が以前の植民地を積極的に忘れようとしていることにあるとの見方を示しました。その上で、現代の人々は張の人生を通じて、自分たちがいったい何を記憶し、何を見逃しているのか理解することができると話しました。

 

「東アジアを~」は台湾に場所を移し、国立台湾歴史博物館(台南市)で714日から117日まで開かれる予定です。