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「遺された指紋―松本清張と台湾ミステリー小説」展が台日3カ所同時開幕

  • 日付:2022-08-20
「遺された指紋―松本清張と台湾ミステリー小説」展が台日3カ所同時開幕

台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、国立台湾文学館、松本清張記念館が共同で主催した「遺された指紋―松本清張と台湾ミステリー小説」が7月29日に東京・虎ノ門の台湾文化センター、福岡県北九州市の「松本清張記念館」、台湾・台南市の国立台湾文学館で同時開幕しました。

台湾文化センターは7月30日、推理小説家の京極夏彦氏を招いての開幕記念講演会を開催しました。台湾のミステリー小説の魅力について語った京極氏は、台湾のミステリー文学が日本の出版界でもますます存在感を増していることに関して「台湾にはまだまだ日本語に翻訳されていない傑作があるはずで、今後もっと台湾ミステリー小説が日本で翻訳出版されれば読者にとってもうれしいことだ」と語りました。さらに、今回の台日3カ所同時開催について、台湾と日本の両方の文学を並べて関連性や違いが分かる形での展示会であり、台湾と日本で同時に同じ展示を見ることができるのは貴重なことだと強調し、今後より一層台日文学交流が深まることを期待しました。

台湾では1980年代より松本清張のミステリー小説ブームが起こり、台湾のミステリー小説の創作は今でも松本清張の影響を大きく受けています。台湾文化センターでの今回の展示はこれまで日本であまり知られていなかった「台日ミステリー文学交流の物語」にスポットを当て、日本の人々に台湾文学の歴史と作品に対する理解を深めてもらうことを望みました。

国立台湾文学館の蘇碩斌館長はビデオメッセージを寄せ、展覧会のタイトルである「遺された指紋」はサスペンス、推理、事件解決といったミステリー小説における鍵となる部分であり、松本清張先生の社会派ミステリー小説が台湾にもたらした推理の手法のみならず社会への関心を向けるということこそが台湾の財産になっているとの認識を示しました。

7月29日に北九州市の「松本清張記念館」で開催された開幕式には北橋健治・北九州市長、松本清張記念館の古賀厚志館長、陳銘俊・駐福岡弁事処処長らが出席し、テープカットが行われました。

このほか、同展の開催に合わせて、台湾文化センターとの協力により東京・神保町の「東京堂書店」に「遺された指紋―松本清張と台湾ミステリー小説」コーナーが設けられ、台湾文学作品や台湾書籍の魅力を紹介しました。