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太魯閣國家公園

太魯閣國家公園

基本説明
太魯閣国家公園は台湾東部に位置し、花蓮、台中、南投の3県市にまたがっています。
方位:地図上の正確な位置と地理座標は、台北市の南140キロメートルにあって、その範囲は台湾中部から東部の花蓮市近くまで、太平洋から西に向かって中央山脈までに及び、長さにすると北から南まで36キロメートル、東から西まで42キロメートルもあります。


対象地域:太魯閣国家公園は花蓮、台中、南投の3県市に位置しており、その範囲は主に立霧渓峡谷、東西横貫公路沿線、その外側の山間部となっています。範囲内には合歓群峰や奇莱連峰、南湖中央尖山連峰、清水断崖、立霧渓流域、三桟渓流域などがあり、総面積は9万2000ヘクタールに上ります。



環境紹介
太魯閣の特殊な地形は、初めはベルム紀の石灰岩、のちに造山運動とそれに伴う変質作用の影響を受け、石灰岩は大理石に変わりました。幾度もの構造運動と変質作用を経て、大理石とその他の岩石は複雑な褶曲(しゅうきょく)を形成し、褶曲と断層によってこの地域では大理石が繰り返し現れました。フィリピン海プレートとユーラシアプレートの度重なるぶつかり合いによって太魯閣峡谷は絶えず隆起し、加えて立霧渓による侵食と、大理石の緻密で崩れにくい特性が組み合わさり、立霧渓の流れる大理石区にはほぼ垂直に近い断崖を持つV型の峡谷が形成されました。


太魯閣国家公園は海抜の落差が大きく、海抜50メートルに満たない場所から、海抜3742メートルの南湖大山まであります。平地の広葉樹林から針広混交林、高山の草原、それからツンドラに近い南湖圏谷まで、気候や地形、植物の分布は非常に多様です。生態環境の特異性と人為的な環境破壊の少なさのおかげで、原生林や植物は元のままの姿を保っており、生息動物の種類と数も非常に豊富です。


区域内の高山は基盤を同じくしているものの、山頂はそれぞれ高くそびえ立っており、生物学的な意味からすると、生殖的隔離の作用が働いている高山の"島”が多くあると言えます。それぞれの生物的な小島にはそれぞれ異なる環境因子、進化をつかさどる自然の力、種分化を進める作用があり、何度も初期の独特な種と生物相を取捨選択してきました。


動物については、調査資料によると、太魯閣国家公園内には少なくとも哺乳類34種(固有種6種を含む)、台湾固有種14種を含む鳥類144種、両生類15種(固有種3種)、爬虫類32種、渓流魚類18種、チョウ251種、貝類18種、淡水エビ13種、カニ類6種(そのうちミナミモクズガニ、俗称青毛ガニは台湾東部の固有種)が生息しています。大昔からこの地に生息している有尾類のサンショウウオは、海抜2000メートル以上の山間部に氷河時代から残っている生物です。石の上に止まって日光浴をしているカナヘビ属の雪山草蜥(Takydromus hsuehshanensis)はこの地で最も有名な固有種で、海抜が最も高いところに生息するトカゲです。


選出理由
太魯閣峡谷の大理石層の厚さは1000メートル以上に達し、分布の範囲は10キロメートル余りに及びます。この地域の石灰岩の生成と大理石の形成過程からは台湾最古の地質時代が観察できます。さらに、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの継続的なぶつかり合いによって地殻は絶えず上昇し、加えて下刻力の強い立霧渓による長年にわたる削り出しと侵食によって雄大な断崖や河岸段丘、広々とした沖積扇状地、峡谷などの地形が生まれました。これは世界遺産登録基準第7項を満たしています。


太魯閣のU字型の石灰岩峡谷は世界最大の大理石峡谷です。深さは1000メートル以上あり、立霧渓の絶え間ない下刻や侵食、削り出し、それに加えて大理石岩層の風化作用、地殻変動による継続的な隆起の影響で、太魯閣峡谷の雄大な景観は作り出されました。生物の多様性と独特さは世界遺産登録基準第9項を満たしています。


激しい海抜の落差によって、本区域には複雑な気候帯が生まれ、豊かな植物が育ちました。高くそびえ立つ山々によって生殖的隔離の作用が働き、独特で希少な植物も生み出されました。そのほか、人的破壊が行われていない原生植生や原生林のおかげで、生息する動物の種類と数量も非常に豊富になり、同時に相互依存の関係も生まれました。これは世界遺産登録基準第10項を満たしています。