新たな地域づくり計画実施のために、文化部は「地方文化館計画」を打ち出しました。既存スペースを地方文化の展示施設として活用するよう支援・指導します。また、これらの施設を住民の文化公民権のために提供し、その一体感を高め、地方文化の観光資源として地域の発展を促進します。
1.経緯
文化部が進めている「総合的地域づくり」が全台湾で反響を呼んでいます。芸術文化は地域に根づいたものでなければなりませんが、そのためには地域住民同士が自由に交流できる場が欠かせません。そこで、文化部では「地域文化活動の発展」、「郷・鎮の文化施設の充実」、「県・市のテーマ展示館の設立と所蔵文化財の充実」、「伝統的文化建築の整備」などの計画を策定し、地域づくりの実行方針としています。
2.計画目標
(1) 地方の文化拠点が文化事業の軸となるよう支援・指導します。
(2) 「文化生活圏」のコンセプトで国民全体に文化活動への参加を促し、文化資源の創造・共有をはかり、国民生活における文化の質を向上させます。
(3) 文化経済発展のプラットフォームを構築します。
(4) 地方文化を育む拠点への転換をはかります。
3.計画方針
地方文化の振興を目的に、芸術、人文、生涯学習、観光、創意、生活美学の交流の場をつくるため、文化施設の増設ではなく、既存の文化スペースの改善や余剰空間の活用で総合的な企画を進め、各スペースの活用、交通動線の整理、地域景観ポイントや産業リソースの結合、パートナーシップや戦略的提携関係の構築により、人的資源の集積と集合をめざします。このような文化生活圏の確立を通して地域の文化的な下地をつくり、住民の文化活動への参加や地方の文化クリエイティブ産業の発展を促して、地方ならではの特色をアピールし、地方経済を活性化させます。
4.実施内容
「文化生活圏の中・長期的な支援・指導」と「文化資源の付加価値化と統合」の2大方針を定め、その下に「重点施設の改善・充実計画」、「文化生活圏統合計画」、「県・市を跨いだ統合実験計画」、「経営管理人材育成計画」、「マーケティング推進計画」の5つの計画を設定し、「文化生活圏」のコンセプトで国民の文化活動への参加と文化資源の創造・共有を進め、文化経済発展のプラットフォームを構築し、それぞれの地域で文化的サービスを人々にとって身近なものとします。
5.将来の展望
地方文化会館は地方の人々の文化生活の拠点となるものです。このプロジェクトの推進を通じて地方文化の保存を行いながら、地域住民の一体感を醸成し、生活のクオリティーを高めていきます。