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台湾芸術史再建の新たなマイルストーン、黄土水氏が高雄と佐渡の百年の交流つなぐ

  • 日付:2023-08-04
台湾芸術史再建の新たなマイルストーン、黄土水氏が高雄と佐渡の百年の交流つなぐ

台湾の彫刻芸術のパイオニアである黄土水氏の作品「山本悌二郎石膏胸像」と「山本悌二郎銅像」を台湾に移設し、そのレプリカを制作して改めて佐渡市に設置するプロジェクトが、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターの協力により実現。この縁により、高雄市と佐渡市の交流が深まりました。佐渡市真野公園で7月22日開催されたレプリカの山本悌二郎銅像除幕式と記念イベントには、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(大使に相当)をはじめ、台湾文化センター職員、高雄市の林欽栄副市長、高雄市文化局、高雄市立美術館のチーム、さらに、佐渡市の渡辺竜五市長ら日本の来賓が出席。高雄市と佐渡市の友好交流協定調印式も行われました。

 

台湾文化センターの働きかけにより、高雄市と佐渡市は昨年、友好交流覚書を締結。もともと台湾糖業の高雄橋頭工場に設置されていた「山本悌二郎銅像」を真野公園から高雄市に返還させ、高雄市はレプリカを制作して、真野公園に寄贈して設置することになりました。高雄市と佐渡市はこれをきっかけに友好交流協定を締結。両市は今後、互いの発展に向けて、経済貿易や観光、民間交流、文化芸術、教育、スポーツ、農業といった分野で多元的に協力していきます。

 

謝長廷代表はあいさつで、この4年の台湾と佐渡の交流を振り返り、両市の好意や、民間の方々の努力、情熱に感謝を述べ、中でも、台湾出身で佐渡在住の舞踊家である若林素子さんの協力に対して感謝を伝えました。その上で、黄土水氏の作品が、台湾と日本の百年にわたる友好交流の懸け橋になったと述べました。

 

高雄市の林欽栄副市長は、高雄と佐渡の百年にわたる交流の良縁のために奔走した台北駐日経済文化代表処に感謝を示しました。また、黄土水氏の作品が、両市の歴史文化をしっかりと結び付けたと指摘。この友好交流協定により、両市の経済貿易や観光、スポーツ、文化交流がより緊密になることに期待を寄せました。

 

佐渡市の渡辺竜五市長は、黄土水氏による山本悌二郎作品が日台交流の新たなページを開いたと述べました。そして、こうした歴史をより多くの佐渡の若い人たちにも知ってほしいとして、今後もこの縁を大切にし、台湾との緊密な交流を続けたいと語りました。

 

文化部(文化省)の海外事務所である台湾文化センターの王淑芳・センター長は同部を代表して、佐渡市や同市議会議員、市民の皆さんの協力に感謝を述べました。また、黄土水氏の作品「山本悌二郎銅像」が高雄市立美術館に収蔵できたことは、台湾芸術史の再建に非常に大きな意義があると述べました。