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文壇の巨頭、斉邦媛さん逝去

  • 日付:2024-04-03
斉邦媛

評論家で翻訳家、エッセイストでもあった作家の斉邦媛さんが3月28日、逝去しました。享年101。史哲文化部長(文化相)は、訃報を受けて深く哀悼の意を表しました。史部長は斉邦媛さんについて、台湾文学と世界の間に初めて交流の架け橋を築いた重要な翻訳者であり、また、台湾に西洋文学の思想を広め、台湾文学を世界に紹介した功績をたたえました。

 

斉邦媛さんは1924年、中国遼寧省生まれで、武漢大学外国語学科を卒業。米国やドイツの大学で台湾文学の講義を行いました。また、学術・文化に関する書籍や教科書の編集・翻訳を行う国立編訳館に勤務していた時期は、中学校の教科書改革を推進し、楊逵や黄春明、楊喚といった台湾本土作家の作品を教科書に採録しました。その後、台湾大学外国語学科で教え、引退後は名誉教授に。2009年に台湾の価値観の手本となる個人や団体を表彰する第5回「総統文化賞」を、14年には台湾文化の維持や発揚に特に大きな貢献があった人を表彰する第34回「行政院文化賞」を受賞しました。

 

斉邦媛さんが執筆した回顧録「巨流河」は、生まれてから台湾に移り住むまでのことを振り返ったもので、大きな反響を呼びました。この作品は、優れた出版社、出版関係者、創作者などに贈られる第34回金鼎賞(Golden Tripod Awards)の図書類非文学賞や、第4回亜州出版大賞最優秀著作賞を受賞。英語やドイツ語、日本語訳版も出版されています。