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3万年前の航海再現 今度は改良版の竹いかだで=9日に台湾東部でテスト航海

  • 日付:2018-06-05
3万年前の航海再現 今度は改良版の竹いかだで=9日に台湾東部でテスト航海

3万年前に人類が台湾から沖縄に渡った航海ルートと手段を考察する日台共同の「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」。昨年は台湾原住民(先住民)アミ族に残る竹のいかだを参考に試作した「イラ号」でテスト航海を行いました。今年はそれに改良を加えた「イラ2号」を製作し、69日に台湾東部の海で再びテスト航海を実施します。 

同プロジェクトは、台湾の国立台湾史前文化博物館(史前館)と日本の国立科学博物館(科博)共同で実施するものです。沖縄では約3万年以上前の遺跡が発見され、台湾から海を越えて移民してきた人々が暮らしていた可能性が指摘されていますが、航海の詳細はまだ解明されていません。プロジェクトでは証拠を基に当時の舟を復元してテスト航海を行い、航海の謎を探ります。2019年に台湾東部から与那国島までの黒潮横断を実現させることを最終目標とし、研究チームによって舟の素材や形態の絞り込みが進められています。

イラ2号は61日、出発点となる東部・台東県長浜の海岸に運び込まれ、同2日に進水式が行われました。日本、台湾、ニュージーランドから集まった漕ぎ手たちが、数日間のウオーミングアップを経て、9日のテスト航海に臨みます。今回は来年実施される本番航海前のトレーニングという位置付けで、地形を覚えるほか、黒潮上での長時間航行などを体験した後、途中で伴走船に曳航されて戻る予定だといいます。