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「灼人秘密」、第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品

  • 日付:2019-05-03
「灼人秘密」、第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品

72回カンヌ国際映画祭(フランス・カンヌ、51425日開催)の「ある視点」部門に、ミディ・ジー(趙徳胤)監督の最新作「灼人秘密」(ZHUO REN MI MI)が出品されます。台湾の映画監督の作品が同部門に選出されるのは2008年のチョン・モンホン(鍾孟宏)監督作「停車」以来11年ぶりです。公式セレクションに名を連ねるのは2015年にコンペティション部門に出品されたホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督作「黒衣の刺客」(刺客聶隠娘)以来4年ぶりとなります。

 

「灼人秘密」はミディ・ジー作品常連のウー・クーシー(呉可熙)に加え、ビビアン・ソン(宋芸樺)、キミ・シア(夏于喬)の3人の女優が主演を務めます。クーシーがミディ・ジー監督と共同で脚本を執筆しました。

 

映画祭参加を前に、壮行会見が2日、台北市内で行われ、ミディ・ジー監督やキャストらが出席しました。ミディ・ジー監督は同映画祭の目に留まったのは大いに励みになると同時に、予想外だったと語りました。

 

同作のストーリーはベールに包まれています。ミディ・ジー監督によると、「中国語映画で前代未聞の冒険スリラー」で、性被害やセクハラを受けた女性が声をあげた運動「#MeToo」(ミー・トゥー)の議題を反映しているそうです。そのため、同映画祭の運営側からは当初、女性監督が撮影したと思われていたと裏話を明かしました。クーシーは、脚本に取り掛かった際は映画化できるとは思いもよらず、ただ単に、米国の芸能界で起こった騒動を機に考えたことを表現したかったと話しました。

 

同映画祭併設の監督週間には、ニューメディア芸術家のホアン・シンジエン(黄心健)が米音楽家のローリー・アンダーソンと共同で制作したVR(仮想現実)作品3本が出品されます。また、映画見本市のカンヌ・フィルム・マーケットに新設されたプログラム「カンヌXR」のショーケースではホアンの新作「失身記-上」が初公開されます。同作は台湾の歴史を題材としており、映画音楽作曲家のリン・チャン(林強)が音楽を手掛けました。

 

マーケットには台湾から96作品、企画案15本が参加します。出展される作品は、妻夫木聡と豊川悦司がダブル主演した日台合作映画「パラダイス・ネクスト」(亡命之途)やロイ・チウ(邱沢)らが出演する刑事ホラー映画「第九分局」などです。マーケットは14日から23日まで開かれます。