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南投の先史集落跡「曲冰考古遺跡」、国定考古遺跡に登録

  • 日付:2019-05-15
南投の先史集落跡「曲冰考古遺跡」、国定考古遺跡に登録

中部・南投県仁愛郷に位置する台湾の山岳地帯で唯一の先史集落跡「曲冰考古遺跡」が、国の遺跡に登録されることが決まりました。昨年、同県の考古遺跡に登録されており、文化部(文化省)が希少性の高さを評価して今年5月、国の遺跡への昇格を決めました。遺跡は現在、保存のために埋め戻されており、今後、遺跡公園として整備される予定です。


同県政府文化局や文化部の資料によると、海抜700~900メートルにある同遺跡は、海岸から盆地に入った先住民がさらに山地を開拓した歴史を伝えています。出土品の一つである玉製品は、原料となるヒスイの産地が東部にあり、同じ東部のある平林遺跡(花蓮県万栄郷)、重光遺跡(同寿豊郷)などで見つかったものと製法が似通っています。このことから、当時の人々が台湾を東西に分ける中央山脈を越えて交流していた可能性があることが分かるといいます。


発掘調査は1981年から87年にかけて計3回行われました。発掘面積は3700平方メートルにおよび、先史時代の集落跡が完全かつ良好な状態で見つかっています。3000~2300年前と1300~1000年前の2つの時期にそれぞれ人類が居住していたとみられ、住居跡48カ所、石棺墓171基などを含む多くの遺物や遺構が出土しました。同遺跡は台湾の考古学研究史上において初めての山岳集落構造であり、研究価値が極めて高いと考えられています。