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先住民制圧の歴史 後世に 花蓮県が日本時代の駐在所跡を保存

  • 日付:2022-02-11
先住民制圧の歴史 後世に 花蓮県が日本時代の駐在所跡を保存

日本統治時代に整備された八通関越嶺道路に残る2つの駐在所跡地で1月、設備の修復や清掃作業などが行われました。地元の花蓮県政府は、ラクラク(拉庫拉庫)渓流域のターフン(大分)地域に住む台湾原住民(先住民)族ブヌン族制圧の拠点だった駐在所の保存を通じて、尊厳と生きるために戦った人々の歴史を後世に伝えたい考えです。

 

八通関越嶺道路は東部・花蓮県と中部・南投県を結び、全長は125キロに達します。今回手入れされたのは1920年と21年に設置されたワバノ(華巴諾)駐在所とトミリ(十三里/多美麗)駐在所で、118日から27日まで作業が行われました。

 

2019年に測量が行われたワバノ駐在所では、日本時代に配備されていたロシア製3インチ砲が残る弾薬庫の修復が、当時の作業方法と古写真を参考にして行われました。自動車が入れないため、資材は人力で3日がかりで海抜1924メートル地点まで運び上げ、さらに3日かけてかつての姿を取り戻しました。

 

トミリ駐在所では、昨年基礎部分の石積みの一部修復と遺構の測量を行ったのに続き、床と地表にたまった腐植土を撤去したほか、かつてあった建物の配置を確認し、図面を作成しました。

 

県文化局の呉勁毅局長は、ブヌン族や専門チームの協力、中央政府の補助などがあり、作業は順調に進んだと説明。歴史を残すことができていると語りました。

(修復された旧ワバノ駐在所の弾薬庫=花蓮県文化局提供)