中華圏の映画の祭典「第56回ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)授賞式が23日、台北市内で開かれ、台湾のチョン・モンホン(鍾孟宏)監督の「ひとつの太陽」(陽光普照)が作品賞を含む5冠を制しました。同じく5部門獲得の台湾スリラー映画「返校」と並び最多受賞となりました。
ひとつの太陽は作品賞のほか、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、編集賞を受賞。授賞式前日の22日に発表された非公式コンペティションの観客賞にも選ばれました。
主演男優賞は「ひとつの太陽」のチェン・イーウェン(陳以文)、主演女優賞はシンガポール・台湾合作映画「熱帯雨」のヤオ・ヤンヤン(楊雁雁)が受賞しました。
式典には日本から俳優の永瀬正敏と映画監督の是枝裕和がプレゼンターとして参加し、イベントを盛り上げました。最終審査員も務めた永瀬はステージ上で、ノミネート作品全39本を全て見るのは「大変だった」としつつ、「ノミネートされている全ての作品はとても素晴らしかったので、とても充実していた」と満足げに語りました。
オリジナル映画音楽賞には、音楽家の坂本龍一がツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督のドキュメンタリー「あなたの顔」([イ尓]的臉)でノミネートされていましたが、受賞は逃しました。
今年の金馬奨は、中国当局が中国の映画人や作品の参加見合わせを発表した影響で、中国や香港の映画の応募取り下げが相次ぎました。金馬奨の実行委員会は10月の記者会見で、応募を取り止めなかった中国の作品もあったと説明したものの、ノミネートされた中国映画はゼロ。香港映画はインディーズ作品が少数ノミネートされたのみでした。応募総数は過去2番目に多い計588件でした。
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