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日本時代の彫刻家・黄土水の代表作「甘露水」、18日から一般公開

  • 日付:2021-12-24
日本時代の彫刻家・黄土水の代表作「甘露水」、18日から一般公開

日本統治時代に活躍した台湾の彫刻家、黄土水の代表作「甘露水」が12月18日から、国立台北教育大学北師美術館(台北市)で開かれる特別展で公開されます。同展が始まるのに先立ち、メディア向け内覧会が16日開かれ、一足早く作品がお披露目されました。


大理石彫刻の「甘露水」は台湾初の裸体彫像。黄が東京美術学校在学中の1919年に制作され、21年に「帝国美術院展覧会」(帝展)に入選しました。


黄の死後の31年にほかの作品とともに台湾に移され、台北の台湾教育会館(現・二二八国家紀念館)に所蔵されましたが、後に同館を使用した台湾省臨時省議会が58年に台中に移転したのに伴い、一時台中駅に放置されていました。74年に一族が所有する台中・霧峰の工場に運ばれて以降は40年以上工場内に眠った状態になっていました。台北教育大の林曼麗名誉教授と北師美術館のチームの調査の末、作品の所在が判明し、今年9月、文化部(文化省)に正式に引き渡されました。公開前には半年以上をかけて修復が行われました。


展示場で作品は円弧状の壁に囲われるように配置され、太陽光が降り注ぐ絶好の位置に置かれました。同展のキュレーターを務めた林氏は、自然光によって作品の最も美しい状態が表現されると説明。光が当たると、大理石の表面が息をしているように見え、女性の彫像のほほ笑みもますます魅力的になると話しました。


「光─台湾文化的啓蒙与自覚」は18日から来年4月24日まで。個人での入場や団体向けガイドは同館の公式サイトで予約できます。