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台湾総督府交通局鉄道部

  • 日付:2018-06-13
台湾総督府交通局鉄道部

台湾総督府交通局鉄道部(略称、鉄道部)は、日本統治時代の官営鉄道機関で、現在の台湾鉄路管理局の前身です。台湾で最初のサイエンスパークであるほか、台湾の鉄道発祥の地でもあり、以前は「汽車の病院」とも呼ばれていました。鉄道部は台湾の交通と経済の発展に大きく貢献し、現在は国定古跡に指定され、保護されています。

 

鉄道部は、日本統治時代の1899年11月8日に設立され、元は総督府直属の機関でしたが、1924年に総督府交通局の傘下に改組されました。約50年間の日本統治時代には、1908年に縦貫線が全線開通し、台湾に初めて「空間革命」が起こります。また、鉄道部は、淡水線、宜蘭線、台東線といった鉄道路線を建設。このほか、北廻線、南廻線、中央山脈横貫線の調査と計画も進めました。

 

1945年の第2次大戦終戦で、中華民国政府が台湾を接収し、鉄道部は台湾鉄路局の庁舎となりました。鉄道部には現在、庁舎と食堂、八角楼、電源室、工務室、戦時指揮センターの計6棟の国定古跡に指定された建物があります。鉄道部は完成以来常に、台湾の鉄道の行政の中心でした。台湾鉄路管理局本部が現在の台北駅5階に移ったのは、1990年に5代目の台北駅が完成してからでした。

 

鉄道部は、チューダー様式で建築されています。入り口の戸口はアーチ状で、れんが造りの外壁に人造洗い出し仕上げの円柱の装飾があります。また、2階の屋根と内装の構造にはヒノキが中心に使われており、中央バルコニーとエントランス廊下があります。この旧鉄道部庁舎は、それ自体が日本統治時代の鉄道の記憶をとどめているほか、内部には大講堂やエントランスがあり、さらには、清代の「台北火車票房(初代台北駅)」と「機器局」の貴重な遺構もあります。

 

台湾博物館が2006年、「台湾博物館系統計画」を始動し、台北市中核エリアの歴史建築群をとりまとめて、古跡を修復し、再活用する取り組みを進めています。鉄道部も、現代的な意義のある鉄道部博物館としてよみがえります。「国定古跡台湾総督府交通局鉄道部古跡修復再利用第1期工程」は、鉄道部パーク設置における先駆けの工事です。約10年をかけて、少しずつ元の建物の姿に修復しており、現在、修復が終わっているものには、庁舎と食堂、八角楼、電源室、工務室、防空壕(戦時指揮センター)といった国定古跡6棟の建物と電機工事があります。このうち、トイレの建物だった「八角楼」は、当時の最も美しい公衆トイレと言われています。

 

2017年末時点で、台湾博物館鉄道部パークでは景観や内装、常設展の企画といった作業が続けられており、2019年に「鉄道部博物館」として一般公開される予定です。


台灣博物館邀請日本石板瓦匠師來台,協助修復台博館.jpg

日本の瓦職人が台湾博物館の招きに応じて鉄道部庁舎修復に協力。台日の友好が示された。