2018年に設立された空総台湾当代文化実験場(台北市大安区建国南路一段177号)は、文化部(文化省)傘下の機関により企画運営されているもので、文化イノベーションの新たなエコシステムを構築して、文化的実験や、ソーシャル・イノベーションを推進し、公共文化体験と文化の将来性を探るプラットフォームを提供することを目的としています。
台北市の中心部にある「文化実験場」の敷地面積は7ヘクタール。19世紀は農地でしたが、日本統治時代に台湾総督府工業研究所が設けられました。戦後に国民政府が台湾に移転し、軍事需要に対応するため、1950年に台湾の空の防衛と作戦における最高指揮機関である「国防部空軍総司令部(空総)」となりました。2012年に空軍が移転するまで、この基地は62年もの長きにわたり軍事に活用されてきました。2018年に当代文化実験場として生まれ変わり、時代の新たな意義が与えられました。
「文化実験場」は、芸術、科学技術、社会開発に向けてそれぞれ、「現代芸術」「音響メディア」「ソーシャル・イノベーション」の3大センターを設置するなど、内部をリノベーション。プロの芸術家と科学技術支援チームのマッチングを行い、文化実験創作計画におけるデザインや助言、公募、滞在プログラムといった方法、また、実験的な公演・上映や対話会、相互学習ワークショップ、イノベーション・マネジメント、社会と教育の推進といったプロジェクトを通して、革新的な文化協力プラットフォームを構築します。
国内での実験創作計画推進のほか、「文化実験場」は海外展開も積極的に進め、フランス国立音響音楽研究所(IRCAM)やパリの文化スペースである104(サンキャトル)との長期的な協力覚書締結、さらには、ドイツ、フランス、韓国、オランダ、米国などの分野横断的な実験機関と連携を拡大。相互訪問や、公演・上映プログラムの共同制作、芸術家や専門職の滞在プログラム、国際フォーラムなどを通して、国際交流やプロモーションを行い、互いの研究と芸術の発展成果を共有して、台湾とアジアの生活体験から生まれた現代の文化的イマジネーションを活性化します。
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