台湾フィルハーモニック(国家交響楽団、NSO)は4月、音楽監督の準・メルクルさんが率いて、欧州での巡回公演をスタートします。今回の公演では、客家政策を所管する客家委員会が作曲家の李元貞(Yuan Chen Li )さんに委託して作った「美濃の道」という曲が演奏されます。この曲は、日本でいうところの民謡のような、客家山歌のエッセンスを取り入れた交響曲で、台湾の客家文化が世界の舞台で披露されます。
さまざまなインタビューや音楽採集を経て、李元貞さんは客家のエッセンスを取り入れた「美濃の道」を書き上げました。台湾南部・高雄にある客家の集落である美濃の風土と人情をテーマとして、交響曲で客家独自の文化を表現しています。李元貞さんは、「美濃の道」とタイトルを付けたことについて、美濃の人たちの生活を見て感じた「客家人は日の出とともに働き、日の入りとともに休み、土地に対して非常に親しみの感情を持っている」ということを表現したかったからだといいます。
台湾フィルハーモニックは4月3日から4月13日にかけて、スイス、ドイツ、フランスで計7公演を行う予定。演奏する曲目は、李元貞さんの「美濃の道」のほか、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲」や「バイオリン協奏曲」、ドボルザークの「交響曲第8番」が予定されています。