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台湾新鋭アーティストの作品、東京で展示上映 「シアターコモンズ'22」

  • 日付:2022-03-03
台湾新鋭アーティストの作品、東京で展示上映 「シアターコモンズ'22」

マルチメディアテクノロジーを活用して新たな映像表現を開拓する台湾の新鋭アーティスト、シュウ・ツェユー(許哲瑜)さんの作品が221日から同25日まで、東京都港区の台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで展示上映されました。文化イベント「シアターコモンズ'22」の一環として開かれたものです。27日にはゲーテ・インスティトゥート東京でレクチャーも行われ、今回のイベントのために制作した新作映像を上映したほか、ドイツや日本の演劇関係者とコロナ禍における舞台芸術祭の発展の可能性を探りました。

 

シュウさんは近年国際的に注目されている台湾の新世代マルチメディアアーティストです。現在はフランスのル・フレノワ国立現代芸術スタジオで滞在制作を続けています。社会の動きやニュース、事件と自身の経験を結び合わせ、独特の映像表現を用いて多様な観点から創作することを得意としています。

 

今回展示上映されたのは、「犯罪現場の再現(重現犯罪現場)」「真鴨の異常な死(一隻綠頭鴨的不尋常死亡)」「シングルコピー(副本人)」の3作品です。

 

レクチャーでお披露目された新作は、シュウさんと演劇顧問のベッティ・イーチュン・チェン(陳佾均)さんが共同制作した作品です。映像はシュウさんが台湾に帰国した際に淡水の祖母の家で自主隔離しているところから始まります。祖母がかつて家畜衛生試験所に30年余り勤めた経験から、動物の標本を巡って幼少期の記憶や家族の思い出を呼び起こし、さらには世界各地の動物園、博物館、野生の生息地の動物、その標本制作、保存、保育と展示の歴史的変遷など、多様な角度から人間と動物の関係を考えていくという内容になっています。

 

ドイツのフランクフルト・モウソントゥルム劇場の演劇顧問および共同芸術監督を務めるアンナ・ヴァーグナーさん、ドイツで開かれる「世界演劇祭テアター・デア・ヴェルト2023」のプログラムディレクターを務めるキュレーターの相馬千秋さんと対談しました。

 

同イベントであいさつした台湾文化センターの王淑芳センター長は、文化部(文化省)が近年、アートとテクノロジーを融合させたメディアアートの育成に積極的に取り組んでいることを紹介した上で、台湾の独創性と実験的精神の多様な表現によりビジュアルアートに新しい一面がもたらされることに期待を寄せました。

 

台湾文化センターは、ゲーテ・インスティトゥート東京や在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、オランダ王国大使館、NPO法人芸術公社とシアターコモンズ実行委員会を形成し、2017年から文化パートナー協力を行っています。