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台湾の新鋭芸術家が滞在制作した作品を紹介 陶芸の森で企画展「台湾の作家たち」開催

  • 日付:2022-04-01
台湾の新鋭芸術家が滞在制作した作品を紹介 陶芸の森で企画展「台湾の作家たち」開催

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターと滋賀県立陶芸の森が共同主催したアーティスト・イン・レジデンス企画展「台湾の作家たち」が3月5日~31日に陶芸の森で開催され、これまでに同所に滞在して制作活動を行った3人の台湾人アーティストの作品が展示されました。日本の来場者に台湾の芸術創作を身近に感じてもらおうと、会場では台湾人アーティストの制作の過程を紹介する映像も上映されました。

陶芸の森は、陶芸をテーマにした日本の代表的かつ専門的な文化施設の一つです。1990年の開園以来、世界各地の芸術家と創作研修や展示の交流を行ってきました。台湾文化センターは2017年に陶芸の森と交流協定を結び、2018年に呉育霈さん、19年に李承亮さん、21年に梁瀚云さんを陶芸の森に派遣し、3人はアーティスト・イン・レジデンスによる作品制作を行いました。3人はいずれも文化部(文化省)によって選抜された台湾人アーティストです。台湾文化センターは今回の展覧会について、陶芸の森と共に構築した台湾の新鋭アーティストの育成・普及の場を通じて、台日間の陶芸美学の伝承と芸術交流の推進を実践するものだとしています。

今回展示された3人の作品はそれぞれ異なる特色を有しています。呉さんの作品は釉薬の特徴を生かし、陶芸制作の多様な姿を表現しました。李さんは滞在中に目にした屋根の上の黒い鬼瓦に着想を得て、ゴジラをテーマに彫塑と器の機能を兼ね備えた作品を制作しました。梁さんは、幼い日の記憶と滞在制作の経験を結び付け、自分自身の人生の風景と大自然の中の湖をイメージしたシリーズ作品を制作しました。

3月18日には台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が会場を訪れ、松井利夫・陶芸の森館長の案内の下で作品を鑑賞しました。また、現在陶芸の森に滞在して作品制作に取り組んでいる梁さんから作品のテーマについて説明を受けました。

謝代表は、台湾の陶芸家のアーティスト・イン・レジデンスを受け入れた陶芸の森に感謝の意を表し、台湾と日本の現代芸術制作における交流がより一層深まることに期待を寄せました。梁さんに対しては、「オンリー・ワン」の創作精神を堅持し、時空と新型コロナウイルスの制限を乗り越えて、より多くの驚きを与えてほしいと激励するとともに、台湾の現代陶芸創作が引き続き日本で花を咲かせられるよう願いました。