メインのコンテンツブロックにジャンプします

第53回金馬奨授賞式(3)

  • 日付:2016-12-01
第53回金馬奨授賞式(3)

◇圧勝の中国大陸勢 作品賞は「八月」

長編フィクション作品賞に輝いたのは、内モンゴル出身チャン・ダーレイ(張大磊)監督の「八月」です。夏休みを過ごす少年の視点から、1990年代初期、変化を遂げつつある中国大陸の社会の姿を描きました。主演の男の子を演じたコン・ウェイイー(孔維一)は新人賞を受賞しました。


◇若手2人が主演女優賞を同時受賞

今回の授賞式で最も世間を驚かせたのは、青春映画「七月与安生」でダブル主演を務めたチョウ・ドンユイ(周冬雨)とマー・スーチュン(馬思純)の主演女優賞同時受賞だと言ってもいいでしょう。


最初にドンユイの名前が呼ばれ、スーチュンがドンユイに祝福のハグを贈った直後、プレゼンターのフォン・シャオガン(馮小剛)監督から「もう一人います」との声が上がり、スーチュンの名が告げられました。予想外の展開にスーチュンは大きく口を開けて喜びの叫びを上げ、感情を爆発させていました。この演出についてフォン監督は舞台裏で、「スーチュンが少しがっかりしているところを見計らった。遅れて来るサプライズはより興奮するから」と意図的だったことを明かしました。


「七月与安生」で2人が演じたのは、衝突を繰り返しながらも強い絆で結ばれているソウルメイトです。「どちらかが欠けてもいけない」との理由で、2人の同時受賞が決定したそうです。同時受賞は異例なこととなります。第46回(2009年)の主演男優賞をホアン・ボー(黄渤)とニック・チョン(張家輝)が同時に受賞した前例はありますが、当時は票が割れて決着がつかなかったためでの決定だった一方で、今回は最初から「ドンユイ+スーチュン」という選択肢が審査員から提案されていたそうです。


◇主演男優賞はファン・ウェイ

主演男優賞を獲得したのは、中国近代文学の名作家、老舎の短編小説をリメイクした「ミスター・ノー・プロブレム」(不成問題的問題)のファン・ウェイ(范偉)です。38年ぶりにノミネートされたマイケル・ホイ(許冠文)やクー・チェンドン(柯震東)らを下し、初受賞となりました。


金馬獎最佳劇情片八月摘殊榮.jpg