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ミディ・ジー監督「マンダレーへの道」、ベネチア国際映画祭で賞

  • 日付:2016-09-13
ミディ・ジー監督「マンダレーへの道」、ベネチア国際映画祭で賞

ミャンマー出身で、台湾を拠点に映画を製作しているミディ・ジー(趙徳胤)監督の最新作「マンダレーへの道」(再見瓦城)が9月9日、第73回ベネチア国際映画祭でヨーロッパ映画批評家協会最優秀作品賞を受賞しました。ステージ上で賞を受け取ったジー監督は、自身を映画監督へと育ててくれた台湾に対し感謝を示しました。

同作は、ミャンマーからタイに密入国し、不法就労する男女を描いた作品。ベネチア国際映画祭のベニス・デイズ部門に出品され、世界プレミア上映されました。


16歳で台湾に移り住み、独学で映画を学び始めたジー監督がこれまでに製作した映画はいずれも高い評価を得ており、前作の「アイス」(冰毒)では台湾最高峰の映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)の監督賞にノミネートされました。


ジー監督はスピーチの中で、受賞の喜びを伝えた上で、同作のために約1年間努力を続けた主演のクー・チェンドン(柯震東)、ウー・クーシー(呉可熙)に感謝を述べました。また同作が、自身の姉、そして姉と同じようにタイで外国人労働者として働く人の経験をもとにして生まれたことに言及しました。


最後に台湾について触れ、「台湾で教育やトレーニングを受けなければ、決して映画監督になることは出来なかったでしょう」と語りました。


同作について審査員は「ミディ・ジー監督は正確な映画言語と美学を用い、現実的なやり方で役者の自然な演技を導き出し、簡潔で優雅かつ正確に現実世界の残酷な物語を描いた」と評価しました。