「多くの人に台湾の鉄道の魅力が伝われば」。国立台湾博物館(台北市)は昨年末、台湾の鉄道をテーマに歴史やシステムなどを紹介した書籍「百年輪転・台湾鉄道」を出版しました。編集に携わった台湾師範大学地理学科の洪致文教授は「誰にでも分かりやすい内容」だとしています。
同博物館では、日本統治時代に建設された旧台湾総督府鉄道部の建物を修復し、鉄道をテーマにした分館を開く計画を進めています。同書は開館に先駆け、常設展で展示される内容をまとめたものです。
中国語に英訳を付けた解説文と豊富な写真で切符や駅舎、土木技術、車両、信号システムなどのハード面のほか、鉄道に携わる人や現場に残る日本語由来の言葉などのソフト面も取り上げました。
分館は建物自体の修復こそ終えたものの、内装や屋外施設の工事は現在も行われており、開館までには数年かかるとみられています。洪教授は「まずは同書を通じておおまかな内容を分かってもらえれば」。