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国家工芸成就奨を受賞 | 王清霜

  • 日付:2016-06-23
国家工芸成就奨を受賞 | 王清霜

王清霜は1922年に生まれ、16歳の時に私立台中工芸専修学校漆工科に入学、19歳で東京美術学校(現・東京芸術大学)に留学し、和田三造や羽野禎三、河面冬山らに師事しました。その傍ら、夜間には東京のデザイン系専門学校や精華美術学院で図柄を学び、さらに、熊田耕風が開いた薫草社画塾で絵画も学びました。休日には、黒岩淡哉から彫刻を教わりました。王清霜の漆芸の確かな基礎はこうして築かれたのです。


留学を終えて帰国後は、長年にわたって工芸教育の普及に尽力しました。1952年から59年にかけては画家の顔水龍とともに、現代工芸の発展に最も重要な基礎を根付かせる取り組みを積極的に進めました。南投県を皮切りとしたこの取り組みは、今日の国立台湾工芸研究発展センター(南投県)の規模を形成する準備的な活動となり、台湾における工芸発展の歴史に永遠に残る業績を刻みました。


王清霜は20年余りにわたり新作を発表し続け、特に蒔絵シリーズの絵画製作に傾倒しました。2007年には国家工芸成就奨を受賞し、工芸創作に対する長年の献身的な精神、技術の継承、人材育成、技法の開発、学術研究や文化交流への優れた貢献を表彰されました。


王清霜は「重要伝統工芸美術伝習計画」で漆工芸の伝承に携わり、王賢志、王清源、李麗卿の3人の弟子に技術を教えました。王賢志は王清霜の次男です。3人の弟子は漆工芸の分野ですでに非常にしっかりとした基礎を身につけており、中間世代の漆芸家の中で一定の功績と名声を得ています。王賢志は南投県の伝統工芸美術保存者への登録もされています。3人の弟子は技術をさらに深め、国宝級巨匠の教えのもと、さらなる高みに到達することを目指しています。