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小説「亡霊の地」、日本で刊行 著者の陳思宏さんと訳者が対談 作品を紹介

  • 日付:2023-08-10
陳思宏さん(左)と翻訳を担当した三須祐介さん

台湾人作家、陳思宏さんの小説の日本語版「亡霊の地 GHOST TOWN」の刊行を記念し、トークイベントが7月30日、東京都内で開かれました。陳さんと、翻訳を担当した三須祐介さんが対談し、作品の魅力を紹介しました。

 

ドイツで同性の恋人をあやめてしまった主人公が刑期を終え帰郷したのは、亡霊がこの世に戻ってくるとされる旧暦7月「鬼月」の季節。亡くなった両親やきょうだいたちによる生者と死者の語りで、家族がなぜ引き裂かれたのか、主人公が恋人を手にかけた理由、土地の秘密などが暴かれていく―という物語が描かれます。

 

作品に登場するような大家族を持つ陳さん。同作は7人の姉にささげるために書いたと紹介し、かつての台湾の姿を書き留めておきたかったとも語りました。

 

また、三須さんのおかげで同作を日本で出版できたと感謝を表明。読み終えた日本人の友人が感動のあまり、陳さんの家を訪れ涙を流したとのエピソードも明かしました。

 

イベントは台北駐日経済文化代表処台湾文化センターと紀伊國屋書店が企画しました。5月には小説「台湾漫遊鉄道のふたり」を手掛けた楊双子さんのイベントも催されており、今回はこれに続く第2弾として実施されました。