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漫画家・鄭問さんの作品、実写映画化へ 2020年夏の公開目指す

  • 日付:2018-06-13
漫画家・鄭問さんの作品、実写映画化へ 2020年夏の公開目指す

昨年3月に死去した漫画家の鄭問さんの作品「万歳」が実写映画化されることが決まりました。2020年夏の公開を目指します。制作会社、貴金影業が6月5日、台北市内で発表しました。鄭さんの作品が正式に映像化されるのは初めてだということです。

鄭さんは1990年、春秋戦国時代の英雄たちを描く「東周英雄伝」で日本デビューし、東洋的な水墨画と西洋絵画の技法を融合させた独特のタッチで人気を集めました。鄭さんの死去後、その功績に改めて注目が集まっており、特別展が6月16日から国立故宮博物院(台北市)で開かれるほか、鄭さんの一生を読み解く書籍の出版なども行われています。
 

 
プロデューサーの王子維さんによれば、出版社に映画化の話を持ち掛けたのは鄭さんが存命だった2016年初頭のこと。元々鄭さんの作品のファンで、映画にしたいと考えたといいます。しかし、当時は積極的に話を進めておらず、死去を受けて動きを加速させたそうです。

 

映画化される「万歳」は、現代香港の黒社会に出現した項羽という名の男が、天の真理を封印する箱を守る風水師・万歳と出会い、天の真理を手に入れて黒社会の覇者になろうとするという物語です。この作品を選んだ理由について王プロデューサーは、同作が黒社会を通じて人間の心と運命を描いている点に触れ、台湾が最も力を発揮できる部分であり、規模や物語の理解度においても台湾で製作するのにふさわしいと思ったからだと説明しました。 

現在は脚本家とシナリオの大筋を練っている段階。監督の人選も進んでおり、すでに2、3人に声をかけたそうです。監督起用の条件は「鄭さんの読者で、原作の精神を理解していること」。物語の方向性が決まってから最終的にどの監督にするか決定するとしています。製作チームは台湾のスタッフをメインにする方針で、来年8月のクランクイン、同年末のクランクアップを予定しています。