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台北機廠総事務所と職員浴場の修復工事始動

  • 日付:2019-06-10
台北機廠総事務所と職員浴場の修復工事始動

整備が進む台北市の台北機廠鉄道博物館園区で6月10日、総事務所と職員浴場の修復工事が始まりました。起工式に出席した鄭麗君文化部長(文化相)は、同博物館が新たな段階に入った象徴だとし、計画の進展に期待を寄せました。


同園区は、車両の保守・改造基地「台北機廠」の跡地を再活用した文化施設です。台北機廠は日本統治時代の1935年に落成した「台北鉄道工場」を前身としており、戦後には台湾鉄路管理局(台鉄)によって使用されていましたが、2012年の工場機能移転に伴って役目を終えました。


台湾に現存する鉄道車両整備工場として最も古く、文化や交通発展の面でも歴史的価値が高いとされ、15年に全体が国定古跡に登録されました。17年には文化部(文化省)と交通部(交通省)が鉄道博物館としての施設の修復、活性化に向けて協力する覚書を締結し、整備事業が動き出しました。全域を整備し、修復や公開は区域ごとに行う方式を採用して作業が進められています。計画期間は26年までとなっています。


修復が始まった総事務所は、かつては工場の運営の中枢として機能していました。修復後は博物館の事務センターとして使われます。収蔵品の研究室を設置するほか、常設展を開催し、工場の歴史を紹介する予定です。


浴場は当時の職員が一日の疲れを癒す場所で、職員同士の結びつきを強める役割を担っていました。修復工事の設計を担当する建築家の徐裕健さんによれば、大きなガラス窓や中央部のアーチ状鉄架構は当時の鉄骨技術の発展を反映しているそうです。