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阿里山林業鉄道、台湾第1号の「重要文化景観」に登録

  • 日付:2019-07-09
阿里山林業鉄道、台湾第1号の「重要文化景観」に登録

南部・嘉義の景勝地、阿里山の林業文化と林業鉄道が7月9日、「阿里山林業・鉄道文化景観」として文化部(文化省)の「重要文化景観」に登録されました。2016年の文化資産保存法改正で文化財のカテゴリーに新たに重要文化景観が加えられて以来、重要文化景観登録第1号となりました。登録範囲は阿里山林業鉄路とその沿線で、嘉義市から嘉義県にまたがっています。


阿里山は日本統治時代、林業で栄え、同鉄道は1912(大正元)年に嘉義-二万坪間で営業を開始しました。後に阿里山の林業が衰退すると、観光鉄道として利用されるようになりました。80年代に入ると公道の開通により存続の危機にさらされましたが、文化財保護に関する法律が整備され、同鉄道を文化財として保存する取り組みが進められました。昨年には「阿里山林業鉄路及び文化資産管理処」が発足され、同鉄道に関連する文化資産の保護が積極的に行われています。


阿里山林業鉄路の竹崎駅(嘉義県)で同9日、登録証明書の授与式が行われ、鄭麗君文化部長(文化相)が証明書を林華慶林務局長や黄敏恵嘉義市長、呉容輝嘉義県副県長に手渡しました。


鄭部長は、同鉄道の地形や工法、技術などのレベルの高さに言及し、「当時のアジアから見ればとても容易なことではない」と保存の意義を強調しました。文学、美術、音楽などの文化や沿線に住む人々の記憶もこの地に根付いているとし、生態や産業、鉄道文化よりもさらに重要なのは、同地の文化的視野や文化景観、台湾人のこの地に対する文化的感情だと語りました。今後、嘉義に専門の事務所を設置し、文化財の保存や鉄道文化の再生などを進めることも明かしました。