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白色テロを物語で読み解く 小説選出版 「作品で歴史に触れて」

  • 日付:2020-02-21
白色テロを物語で読み解く 小説選出版 「作品で歴史に触れて」

戦後の台湾で横行した白色テロが社会に与えた影響をさまざまな物語を通して読み解く小説選「譲過去成為此刻:台湾白色恐怖小説選」(仮訳:過去の体験を今に 台湾白色テロ小説選)が1月下旬に出版されました。全4巻で、200近くの候補作から厳選された30作品で構成されており、日本統治時代の作家、呉濁流の「ポツダム科長」や日本で実業家、直木賞作家として活躍した邱永漢の「香港」などが収録されています。

出版元は、白色テロの「解釈」や「定義」にこだわるのではなく、「作品の中で歴史の現場に触れてほしい」としています。

春山出版が国家人権博物館と共同で出版しました。春山出版の荘瑞琳編集長は小説選について、戒厳令が農家や労働者階級、先住民など立場の弱い人々にも影響を及ぼしたことを伝え、白色テロに対する認識と理解を広める狙いがあると説明します。文学として接することで、白色テロに関する画一的な定義や政治的な立場から解き放たれれば、生き生きとした歴史として過去を捉えられるようになるのではないかと話しました。