第70回ベルリン国際映画祭の授賞式が2月29日、ドイツ・ベルリンで開かれ、ツァイ・ミンリャン（蔡明亮）監督の新作長編映画「日子」（Days）が独立賞の一つである「テディ賞」の審査員特別賞に選ばれました。テディ賞は優れたLGBT（性的少数者）映画に与えられる賞です。同作品は台湾映画として15年ぶりにコンペティション部門に出品されていましたが、同部門での受賞は逃しました。
受賞結果を受けて鄭麗君文化部長（文化相）は、ベルリン国際映画祭コンペティション部門への同作のノミネートは台湾映画の創作エネルギーが途切れないことを表すものだとし、台湾映画の質と量が今後も成長し続け、台湾の映画文化が豊かになるよう期待を寄せました。
同作は、俳優リー・カンション（李康生）が病気と治療の苦しみに耐える中、異郷でラオス人男性と出会い、互いに慰めを得るという内容です。ツァイ監督は同作について2月13日の記者会見で、「ドキュメンタリーのようなフィクション作品」と形容しています。
ツァイ監督は受賞結果発表後2月29日、フェイスブックで、「みんな私がどうかなると思っているけれど、私はどうってことはない。前に言ったとおり、ノミネートできるだけですごいことで、足るを知っている。ましてや上映後の反応がすごく良かったのだから」と冷静に心境をつづりました。