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台湾、水中文化遺産の教育普及へ  緑島でワークショップ 日本時代の座礁現場を再訪

  • 日付:2020-08-27
台湾、水中文化遺産の教育普及へ  緑島でワークショップ 日本時代の座礁現場を再訪

文化部(文化省)文化資産局は8月24~27日、東部の離島・緑島でダイビングインストラクターや大学などのダイビング教師を対象に、水中文化遺産の教育、普及ワークショップを開催しました。26日には、日本統治時代の1937年に米国の豪華客船「プレジデント・フーバー号」が座礁した緑島の北の海域に潜り、参加者に当時の歴史への理解を促しました。

同局は台湾の水中文化遺産の保護や普及啓発活動に取り組んでいます。今回のワークショップには計25人が参加しました。現地踏査のほか、水中文化遺産の発見・保存などに関する講座も開かれました。

緑島の郷土資料などによると、プレジデント・フーバー号は1930年代に建造され、37年12月、神戸からフィリピン・マニラに向かう途中、緑島沖で座礁しました。乗組員や乗客780人は島民に救出されて全員事なきを得ました。米赤十字社は後日、感謝のしるしとして灯台を緑島に寄贈しており、今では「緑島灯台」として同島のランドマークとなっています。

同船には多くの著名人が乗船しており、米国~アジア間の航路、近代船舶技術などに関する歴史を研究する価値があるとの見地から、同局は座礁現場周辺の水域を水中文化遺産の保護区域とし、今年7月、水中文化遺産として国内初となる案内板を設置しました。

ワークショップの企画・実施を請け負った淡江大学(新北市)海洋・水下科学技術研究センターの劉金源主任は、このような取り組みは、台湾で芽生えたばかりの海洋考古学や水中文化遺産保護にとって非常に大切だと述べ、今後は海底観光とも結び付け、より多くの人に台湾の水中文化資産を知ってもらいたいと期待を示しました。