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創作活動を後押し 文策院が漫画コンテストを初開催  金賞は日本時代を描いた作品

  • 日付:2020-12-11
創作活動を後押し 文策院が漫画コンテストを初開催  金賞は日本時代を描いた作品

繁体字で書かれた未発表のオリジナル作品を対象とした漫画コンテスト「オリジナル漫画・シナリオ創作コンテスト」の授賞式が12月10日、台北市内で開かれました。台湾の漫画創作を後押しし、漫画の異分野連携を進めようと、文化部(文化省)所管の独立行政法人、文化内容策進院(文策院)が初開催したものです。ページめくり形式漫画部門の金賞には、アンニーヤン(安妮羊)さんが日本統治時代を背景に描いた「信一」が選ばれました。

同コンテストはページめくり形式漫画、縦スクロール漫画、漫画シナリオの3部門で行われ、合計426件の応募がありました。応募者の年齢や国籍は不問。受賞者と入選者には文策院が運営する漫画プラットフォーム「CCC創作集」での連載権と出版発行の機会が与えられます。部門を問わずに自由参加できる賞として「年間テーマ賞」が設けられ、今年は「歴史ドラマ」がテーマに選ばれました。

「信一」は、台日ハーフの兄弟がよその土地で奇異の目で見られ、生活や文化の違いを感じるという物語を描いた作品です。作者のアンニーヤンさんは、物語は自身の父親からインスピレーションを得たと明かし、当時の人がアイデンティティーや主体性を模索してさまよう姿を表現したかったと話しました。同作は年間テーマ賞と読者投票賞にも選ばれ、3つの賞を受賞しました。

縦スクロール漫画部門は応募数が35作品と少なかったため、金、銀、銅の各賞は該当者なしとされました。佳作には2作品が入選しました。シナリオ部門の金賞にはビンセント・ウー(Vincent Wu)さんの「恋恋大目降」が選ばれました。

文策院の丁暁菁董事長(会長)は、このコンテストは同院が初めて台湾の漫画産業、出版業界、映像業界と手を組み、マーケットを念頭に置いて開いたコンテストだと言及。若い創作者や才能ある若者への支援に意欲をみせました。