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炭鉱画家・故洪瑞麟さんの作品、米国から台湾に"里帰り"  修復へ

  • 日付:2021-02-02
炭鉱画家・故洪瑞麟さんの作品、米国から台湾に'里帰り'  修復へ

米国に晩年移り住んだ台湾の画家、故洪瑞麟さんの作品が昨年末に台湾に“里帰り”を果たしました。到着したのは絵画1496点とスケッチブック40冊です。今後、中部・台中市の国立台湾美術館(国美館)で修復やデジタル化が行われます。展覧会も企画するとしています。

到着した作品の一部が2月1日、国美館でお披露目されました。台湾芸術史の再構築を目指す文化部(文化省)の李永得部長(文化相)は国美館で開かれた記者会見で、洪さんの作品の帰郷は感動的だと述べ、長年にわたり台湾の文化資産と国宝を守ってきた洪さんの長男、鈞雄さんに感謝を示しました。

洪さんは炭鉱で働く傍ら、炭鉱労働者の生活を絵画で描いてきたことから、「炭鉱画家」として知られています。日本統治時代の1912年に台北で生まれ、1930年に日本に留学。帝国美術学校を卒業しました。1938年に台湾に戻ると、30年余りにわたり、北部・瑞芳の炭鉱に勤務しました。1980年に鈞雄さんと米カリフォルニアの沿岸地域に移住してからは、太陽や雲、海をテーマに絵を描き続けました。1996年、心筋梗塞のため84歳で亡くなりました。洪さんの作品は昨年、故人の遺志を続ぐ形で遺族から文化部に寄贈しました。

洪さんの画家としての生涯は作風によって4つの時期=芸術啓蒙期(1924~30年)、日本留学期(30~37年)、炭鉱労働期(38~72年)、晩年期(72~96年)=に区分されます。今回寄贈された作品はこの4つの時期を網羅しており、未公開の作品も含まれています。